本塁打・長打・塁打はトップクラス、打点はまさかの二桁順位
ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が、2025年シーズン序盤からまたしてもMLBの歴史に名を刻む“珍記録”を打ち立て、米国内外のファンや専門家の間で大きな話題となっています。その記録とは、「本塁打・長打・塁打でリーグ上位に名を連ねながら、打点だけが極端に少ない」という、打撃成績の“アンバランスさ”です。
1920年来の珍記録
大谷翔平は2025年5月上旬時点で、11本塁打(リーグ4位タイ)、21長打(5位タイ)、総塁打数89(4位)と、いずれもメジャートップクラスの成績を残しています。しかし打点数は16で、なんとリーグ96位タイという異例の低さ。
この現象について、米スポーツデータ企業「オプタスタッツ」も公式X(旧Twitter)で「1920年以降、5月時点で本塁打・長打・塁打がトップ5に入りながら、打点がトップ90圏外の選手は初めて」と解説し、MLB史に残る珍記録であることを強調しています。
なぜ“打点”が伸びないのか?―打順とチーム状況が影響
今季のドジャースは、1番にムーキー・ベッツ、2番に大谷、3番にフレディ・フリーマンという超強力な上位打線を組んでいます。大谷は2番で起用されることが多く、前を打つベッツが高い出塁率を誇る一方で、ベッツがホームランや長打で自ら得点するケースも多く、塁上にランナーがいない場面で大谷が打席に立つことが増えています。また、ドジャースの下位打線がやや振るわず、打線の巡りによっては大谷が“走者なし”で回ってくることも多いのが現状です。そのため、長打・本塁打を量産しても、打点が思うように伸びないという現象が生まれています。
大谷翔平の打点が低いのは、本人の打撃成績や調子の問題ではなく、主に「打順」「前後の打者の出塁率」「走者を置いた打席数の少なさ」といったチームや打線の構成によるものです
米ファン・現地メディアの反応
この“異例の打撃成績”には、米ファンからも様々な声が上がっています。
「彼を1番バッターから外さないと」
「フリーマンとベッツの後ろに置くべき」
「彼の前にランナーがいない。ただの本当に良い打者」
「結局のところ、彼は特別なんだ」
SNS上では「大谷を3番や4番に据えて、もっと打点を稼げる打順にすべきでは」といった意見も多く見られ、ドジャース首脳陣の采配に注目が集まっています。
データで見る大谷翔平の2025年序盤
実際の成績を見ても、大谷は打率.305、12本塁打、20打点、OPS1.059(5月上旬時点)と、打撃面ではリーグ屈指のパフォーマンスを発揮しています。
昨年2024年には54本塁打・130打点でMVPを獲得しただけに、今季の“打点の少なさ”はより際立っています。
打順変更はあるか?
ドジャースはこれまで、ベッツ→大谷→フリーマンの並びを基本線としてきましたが、今後の打点増加を狙い、3番・4番への打順変更が検討される可能性もあります。大谷自身は「チームに貢献できるならどの打順でも」と語っていますが、監督デーブ・ロバーツも「最適な打順を模索している」とコメントしており、今後の起用法はシーズンの大きな注目ポイントとなりそうです。
大谷翔平が生み出す“新たな歴史”とチームの課題
大谷翔平が記録した「本塁打・長打・塁打はトップクラス、打点は二桁順位」という“珍記録”は、彼の打撃力の高さと同時に、チームの打線構成や采配の難しさを浮き彫りにしています。
今後、ドジャースがどのように大谷の打順やチーム戦略を調整し、彼の長打力を最大限に得点へ結びつけていくのか――。
MLBファンならずとも、今後の動向から目が離せません。